日々徒然

創作家具 安藤和夫

「聴秋閣」に見る工人の粋!

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 この小さな縁側の下にちょっと異質なほど大きな(大げさな)木組みがあります、これを【斗栱】と呼びます。

聴秋閣 遠望!・・・右下が本題の縁側!

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 この小さな縁側の下にちょっと異質なほど大きな(大げさな)木組みがあります、これを【斗栱】と呼びます。

 斗栱(ときょう)とは、木造の寺院建築などで、主に柱上にあって、深い軒や梁や桁を支えるしくみで、斗(ます)と肘木(ひじき)とを組み合わせたもので、組み物とも呼びます。

 地震国であるわが国に於いては、斜めトラスを取る事によって実現する剛構造だと限度荷重を超えたときに崩壊してしまうため、様々な方策が実験されましたが、水平材と垂直材を組み合わせることで、屋根などの加重を受けつつ、地震の揺れなどの水平加重は建物全体が揺れることでその荷重を分散するという柔構造を編み出しました。それが組み手と呼ばれるものです。

 斗と肘木を何段にも組み合わせるという工法の出現によって、日本で過去に無い最大規模の大屋根を持つ室内大空間を実現することが出来ました。東大寺南大門の圧倒的空間量に驚かれた方もたくさん居られると思います。

 その立役者が東大寺を再建した俊乗坊 重源(しゅんじょうぼう ちょうげん)です。【東大寺南大門】横にある【俊乗堂】というお堂に木造が安置されています。私も彫刻家の学生の時に拝観したことを覚えています。

 やはり重源によって建てられた【浄土寺浄土堂】(兵庫県小野市)も有名です。内部空間に見事な斗栱があり圧巻です。私見ですが「斗栱」の発明が嬉しくて嬉しくて、という風に見えるのです。
 
 極私的結論・・・「聴秋閣を建てた人は 重源へのオマージュとしてここに【斗栱】を設置したのではないか?」・・・それは、建築へのオマージュでもあり、新しい工法の発見と言うものは、宇宙の理(ことわり)の幾分の壱かを感得したことの喜びでもあるのだと思うからなのです。
 聴秋閣という小さな建築物には、建築とそこに関わる人間の、様々なドラマと夢が籠められていると思うのです。

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