日々徒然

創作家具 安藤和夫

お厨子の細部!

「お厨子」について今までご紹介してまいりましたが、今回はより詳細な画像にてご覧に入れたいと思います。
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まずは「六角厨子」のトップに付く「宝珠」手銭吾郎先生の作品です。
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やはり手銭吾郎先生作の「兆番」

次は中央部の金具に参ります。
石橋聖肖先生の作品。
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封印の姿。
仏教の様式に捉われることなく存在する“祈りのかたち”を求め、ケルトの十字架なども意識しました。

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打掛金具の内側には文字が鏨(たがね)で彫られています。

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中国唐代の書家で楷書の四大家の一人でもある欧陽詢の書いた『九成宮醴泉銘』(きゅうせいきゅうれいせんめい)碑文の中から選んだ幾つかの字を彫っていただきました。

この字の意味するところに私の意図はなく、「楷書」を自らの旨としてこの「お厨子」を制作したことを表そうとしたことによります。
又、石橋氏は鏨彫りの名手でもあり、氏から文字を彫ることを提案されての発案でした。

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打掛金具を抱きかかえるように合わせ、
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ど真ん中に「宝刀」を呑んで「守る」姿勢をあらわしました。


こちらは打って変わって柔らかで華やかな作品。
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「泥釉七宝」のプレートは上沼緋佐子先生の作品。
赤は現在山形にお住まいの上沼先生曰く、東北以北の大地から生まれた蝦夷の色。
青は以前住んでいらした伊勢の海の色、すなわち今の日本を創った渡来人由来の色。

古代日本における先住民族とそこに移住してきた民族との融合が一つの大きなテーマなのです。

そこに掛かる「打掛金具」は明日香村にアトリエを構える彫金家、佐土玲子先生の作品。
純銀製の金具で水面から伸びる蓮の蕾が一つ。

蕾に見える金色は水銀アマルガム蒸着法による鍍金。そう、あの東大寺大仏に施されたのと同じ方法です。
それによって当時の大仏建立に携わった多くの人々に深刻な水銀中毒が起ったのではないかと推測されています。

こちらは漆芸家、楠田直子先生による「乾漆」の作品。
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「一つの宇宙を創って下さい。」「漆芸の制作過程をも含む様々なマチエールを表現してみてください」などと無理難題を言って楠田さんを悩ませた結果出来上がってきたのがこの小宇宙です。
いかがでしょうか?

形は「陰陽」「巴」「勾玉」「螺旋」などをイメージさせる曲線を用い、全体は求心力の在る球体でまとめています。
一番中心になるところには「螺鈿」で「メキシコ鮑」を象嵌してもらいました。

実に豊かな世界が表現できたのではないかと思っています。
楠田さんとのコラボレーションは今後も深化してゆく予感があります。

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出来上がってきたその乾漆作品を受けて、私は木目を横向きに使用してみました。
木目をたなびく雲や霞、大海、星雲に見立て、乾漆作品を天空に浮かぶ惑星のようなイメージで「お厨子」を造りあげました。

さて、神々は細部に宿ったでしょうか?

今回、たくさんの作家さんのお力をお借りすることで、私個人では到達できないであろう、大いなる世界観を表現することが出来たとの自負があります。

私個人としては「モノ創り」として、ようやく入り口に立てた!というのが正直なところです。

これからも多くの学びを得て仕事に生かして行きたいと思っております。
ご指導、ご鞭撻のほど、よろしく御願い申し上げます。

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