この本、東京・横浜・沼津・大阪・神戸・京都、と日本の名だたるバーを尋ね、その雰囲気を「切り絵」と文章で表した画文集なのです。
ところがその後突然出版社が倒産、お蔵入りになってしまったこの本を著者の成田一徹さんは千冊買い取り、ご本人の切り絵の個展で置いたところ、「絵は売れずともこの本はいつも完売:ご本人談」というほどの人気だったようで、又、地方のバーで酒棚からこの本を取り出し「この本を持って東京のバーを巡りました」というバーテンダーさんと出遭ったりと、成田さんは絶版になったこの本の再生の可能性を信じておられたのだそうです。
その願いが叶い、文庫本として再出発したのが2006年。
文庫化にあたり、それまでの7年で店が閉店したり、移転したりと、本で紹介されたバーにも様々な変化もあったようで、絵柄を変えたり、やむなく削除したものもあるそうです。
又、刊行後に成田さんが新たに出会った名店10店を加え、巻末には今は店を閉じたり、他界されたが特筆すべき名バー、名バーテンダーをアーカイブとして残してあるのです。
バーが好きな人にはもちろん、プロのバーテンダーさんにも愛されたこの本が復活したことは本当に嬉しいことです。
さて、ここからが本題! この単行本を手に、東京、京都などの名店を尋ねていたバーテンダーの一人が、横濱馬車道にある「
舶来酒場らんぷ」の金子昌司さん。
先日、久しぶりに店に寄ったときに手渡されたのが、この「文庫版:TO THE BAR」だったのです。
金子さんは「この本(単行本で刊行された)に載るような、成田さんに切り絵で店を切ってもらえるようなバーになりたい!」と思ってらしたそうです。
その金子さんの思いが叶い、この文庫版に新たに加わったその後の名店10店に「舶来酒場らんぷ」は選ばれていたのでした。

見開きの綴じ目に金子さんの顔がかぶっていて残念。本だと見えます。
この本には何人もの伝説のバーテンダーさんが紹介されていますが、金山二郎さんもそのうちのお一人。
氏は進駐軍のクラブでカクテルを学んだあと馬車道十番館でシェーカーを振り続けた名バーテンダーさん。

金山二郎氏、実は金子さんのおじさんなのです。
昨年一月、ホテルニューグランドで行なわれた【横濱 舶来酒場らんぷ 10周年祝賀パーティー】では壇上で優雅にカクテルを作るお姿が目に焼きついています。
僕もこの本をポケットにそっと忍ばせてバー巡りをしたいな!
そして、もし、万が一、バーテンダーさんのサインをもらえたら嬉しいな!
無粋でなく、さりげなく、オタクでもなく、この本を出すことが出来るのだろうか?・・・バーで!
あ〜、まだまだご修行です!
金子さん、これからもバーの王道を極めてください。
【舶来酒場バーらんぷ】
中区住吉町5-61住五ビル1F
045-641-8901
営業日:月〜土・・・日曜祭日休み。
営業時間・17:00〜24:00(LO23:30)
関内駅から馬車道の通りを入り、右に関内ホールのある交差点を左に入り、ジャズバー:エアジンを通り過ぎすぐ右側。
TO THE BAR − 日本のBAR 74選ー成田 一徹 著